「マーケティング研修でSTPや4Pを学ばせれば、自分で企画を立てられる社員が育つはず」。研修会社のプログラム紹介にはフレームワークの名前が並んでいるため、学ぶ項目が増えるほど現場の力も伸びると考える人事担当者は多いはずです。
しかし、受講企業の実務課題を題材にした研修を重ねてきた課題解決力強化道場の立場から言えるのは、フレームワークを知っていることと、自社の課題に当てはめて答えを出せることは、別々に鍛える必要があるということです。研修の成果を分けるのは、後者を鍛える工程がプログラムの中にあるかどうかです。知識を先に固め、その後に演習中心の研修へ進む順序を選ぶ企業もあります。
本記事では、マーケティング研修の種類と身につくスキルから、研修会社の選び方、受講後の成果につなげる進め方まで、研修企画者と毎回の振り返りを重ねてきた視点で順を追ってお伝えします。
マーケティング研修とは

マーケティング研修とは、商品やサービスが売れる仕組みを考えるための知識と手順を、社員が演習を通じて学ぶ企業研修です。対象はマーケティング部門に限らず、営業・商品企画・管理職まで広がります。
マーケティング研修で学ぶのは、市場の分析から戦略、具体的な施策、結果の評価までの一連の流れです。主なテーマは次の4つです。
- 01環境分析(PEST分析・3C分析・SWOT分析で、市場の変化と自社の位置を把握する)
- 02STP(市場を分け、狙う顧客と自社の立ち位置を決める)
- 034P(製品・価格・流通・販促の組み合わせを決める)
- 04効果検証(売上や顧客の反応から施策を評価し、次の打ち手を決める)
部門をまたいで受講させる企業があるのは、顧客の声に最初に触れるのが、営業やサポートの社員だからです。企画部門だけが分析の手順を知っていても、現場から上がる情報が感想のままでは、分析の材料がそろいません。
マーケティング研修の4つの種類

マーケティング研修は、学ぶ範囲と対象者によって4つの種類に分かれます。自社の社員に足りない力に合わせて選ぶと、受講後に学んだ内容を使う場面がはっきりします。
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マーケティング基礎研修
マーケティング基礎研修は、マーケティングの考え方と代表的なフレームワークを一通り学ぶ研修です。新入社員や、営業から企画へ異動した社員など、体系的に学んだ経験が無い人が主な対象です。
短時間の座学と簡単な演習で組まれるものが中心で、全社で共通の言葉をそろえる目的に向いています。自社の戦略を立てるところまでは扱わないため、企画を任せる社員には戦略研修を組み合わせます。
マーケティング戦略研修
マーケティング戦略研修は、環境分析からSTP、4Pまでを使って、戦略を組み立てる手順を演習で学ぶ研修です。商品企画や事業企画の担当者、事業を任される管理職が主な対象です。
演習の題材には、架空の企業や公開されている事例を使う形式と、自社の商品を使う形式があります。架空の企業を使う形式は手順を試しやすい反面、自社に持ち帰ったときに前提の違いで迷う受講者が出やすいと見ています。
デジタルマーケティング研修
デジタルマーケティング研修は、Webを使った集客と販売の手法を学ぶ研修です。主に扱うテーマは次のとおりです。
- ✓SEO(検索結果で自社のページを上位に表示させる施策)
- ✓Web広告の出稿と運用
- ✓SNSを使った情報発信と顧客との接点づくり
- ✓アクセス解析ツールを使った効果の測定
ツールの操作が中心になる研修も多いため、戦略の考え方をまだ学んでいない社員には、基礎研修か戦略研修を先に受けさせる順序もあります。
営業職向けマーケティング研修
営業職向けマーケティング研修は、顧客の課題を捉えて提案に生かす考え方を、営業の場面に絞って学ぶ研修です。マーケティング部門を持たない中小企業では営業がマーケティングを兼ねることが多く、この研修が入口になります。
担当している顧客を題材に顧客分析をしたり、提案書の構成を4Pの視点で見直したりする演習が組まれます。受講者が日々の商談で使う場面を思い浮かべやすいため、研修の必要性を感じてもらいやすい種類です。
マーケティング研修で身につく3つのスキル

マーケティング研修で身につくスキルは、市場と顧客の分析力、戦略の立案力、施策の検証力の3つです。研修の種類によって、どのスキルに時間を割くかが変わります。
研修の種類と主に伸びるスキル
基礎研修と営業職向けの研修は、市場と顧客の分析力の土台をつくります。戦略研修は戦略の立案力、デジタルマーケティング研修は施策の検証力に多くの時間を割きます。
市場と顧客の分析力
市場と顧客の分析力は、データや顧客の声から、誰が何に困っているかを言葉にする力です。環境分析のフレームワークを使い、市場の変化と競合の動きを、自社にとっての機会と脅威に分けて整理します。
分析力が伸びた社員は、会議で「最近売れない」という感想ではなく、「既存顧客の継続率が下がっている」のように、どこで何が起きているかを示して議論できます。
戦略の立案力
戦略の立案力は、分析の結果から、狙う顧客と打ち手を絞り込む力です。STPで狙う顧客を決め、4Pで商品・価格・売り方を組み合わせます。
演習でつまずく受講者が多いのは、絞り込みの段階です。複数の顧客層を同時に狙う案や、思いつく施策を並べただけの案になりやすく、講師に「なぜその顧客なのか」と問われて初めて根拠の不足に気づく受講者が多いはずです。
施策の検証力
施策の検証力は、実行した施策の結果を数値で測り、次の打ち手を決める力です。施策を始める前に、何がどこまで変われば成功とするかを決めておくことが土台になります。
成功の基準を先に決めていないと、結果が出た後に都合のよい数字だけを見て評価してしまいます。KPI(目標の達成度を途中で測る指標)の設計まで扱う研修かどうかで、受講後に施策の振り返りができるかが変わると見ています。
研修の知識が現場で使われない3つの理由

マーケティング研修の知識が現場で使われない理由は、受講者の意欲より、研修の組み立て方にあります。自社の課題に当てはめて答えを出す時間が無い研修では、学んだ知識が研修の場の中で終わります。自社で実施した、または検討中の研修が、次の項目に当てはまるかを見てください。
- ✓演習の題材が、架空の企業か他社の事例だけになっている
- ✓受講者が自分で課題を設定する時間がプログラムに無い
- ✓研修後に、受講者が書いた企画を見る人が決まっていない
フレームワークを埋めること自体が目的になるから
フレームワークを学んだ社員は、枠を埋めること自体を分析のゴールと捉えやすくなります。SWOT分析なら、強み・弱み・機会・脅威の4つの枠に項目を書き出した時点で、分析を終えたと感じてしまいます。
実務で求められるのは、書き出した項目の中から、どの機会に自社のどの強みを当てるかを決めるところまでです。枠は埋まっているのに打ち手が決まらない資料が会議に並ぶとき、社員は枠を埋めることをゴールにしています。
自社の課題を特定する工程が抜けているから
研修の演習では、解くべき課題があらかじめ与えられています。実務では「売上が伸びない」という状態から、原因が新規顧客の不足なのか、既存顧客の離反なのかを、自分で切り分けるところから始まります。
とりわけ見落とされがちなのが、マーケティングのフレームワークより手前にある、課題を切り分ける力です。ロジックツリー(課題を要素に分けて原因を絞り込む図)で原因を絞り込めないままSTPや4Pを使うと、的外れな課題に正しい手順を当てる結果になります。
研修後に実務で試す場が無いから
研修後に学んだ手順を実務で試す場と、試した結果を誰かに見てもらう場が無いと、受講者は元のやり方に戻ります。研修の最終日に「理解できた」と答えた社員でも、自社の企画書を一人で書くと、どこから手を付けるかで迷います。
課題解決力強化道場では、各回の後に受講者ごとのフィードバックシートを作り、研修企画者との振り返りで次回の方針をすり合わせています。試す場と見てもらう場を研修の期間中に組み込むと、受講者は研修が終わる前に、自社の課題で答えを出し切る経験を積めます。
「学んで終わり」にしない研修を
課題解決力強化道場は、
外資系コンサル出身の現役プレイヤーが直接指導するハンズオン型研修です。
知識習得で終わらない、行動が変わる研修をご提供いたします。
少人数制 × ハンズオン × 超実践型
マーケティング研修会社を選ぶ4つの基準

マーケティング研修会社は、演習の題材・難易度・講師・受講後の振り返りの4つの基準で比べます。プログラムの項目名はどの会社も似ているため、項目名より演習の進め方と受講後の仕組みを見ると違いがわかります。
自社の商品を演習の題材にできること
演習の題材を自社の商品や顧客に置き換えられるかで、受講後に研修の内容を使えるかが決まります。公開講座は他社の受講者と一緒に学ぶため、題材は共通の事例になります。講師を自社に招く講師派遣型の研修なら、事前のヒアリングで題材を差し替えられる会社があります。
受講者の階層に難易度を合わせられること
新入社員と管理職では、研修で解く課題の大きさを変える必要があります。題材の目安は、若手なら担当業務の改善、管理職なら部署をまたぐ課題、経営層なら事業の戦略です。
階層ごとに難易度を変えられるかは、提案時に階層別の演習例を見せてもらうと判断できます。全階層に同じ演習例しか出てこない会社は、階層を分けて受講させても、演習の中身が変わらない可能性があります。
講師に実務の経験があること
講師が実際に事業やマーケティングの課題に取り組んできたかで、受講者の答えへの指摘の具体性が変わります。手順の説明は書籍でも学べますが、自社の課題に当てはめた答えのどこがずれているかは、実務を経験した講師でないと指摘しにくいためです。
研修会社のサイトや提案書で講師の経歴を読み、現在も実務に関わっているかを確かめます。デジタルマーケティングのように手法の入れ替わりが早い分野では、講師が今の実務に関わっているかで、扱う事例の新しさが変わります。
受講後の振り返りが組まれていること
受講後の振り返りの組み方は、研修会社によって大きく違います。最終回の後に一度だけアンケートを取る形式と、各回の後に受講者の状況を研修企画者と共有する形式では、途中でつまずいた受講者に手を打てるかが変わります。
提案書では、振り返りの頻度と、人事の担当者が振り返りの場に同席できるかを見ます。振り返りが料金に含まれているかも、見積もりの段階で確かめておくと比較しやすくなります。
マーケティング研修の受講形式と費用

マーケティング研修の受講形式は、集合研修・オンライン研修・両方を組み合わせるハイブリッド研修の3つです。グループワークで議論を重ねる研修は集合研修で行う企業が多く、拠点が分かれている企業はオンライン研修で移動の負担を減らせます。
費用は、研修の形式と時間、題材のカスタマイズの有無で決まります。見積もりを左右するのは次の4項目です。
- 01受講形式(公開講座は1人あたり、講師派遣型は1回あたりで料金を決める会社が多い)
- 02研修の時間と回数
- 031クラスの人数と講師の人数
- 04事前ヒアリングと題材のカスタマイズの有無
同じ時間の研修でも、自社向けに題材を作り直す場合は、研修会社の準備の工数が料金に加わります。見積もりを比べるときは、総額に事前ヒアリングと受講後の振り返りが含まれているかを、項目ごとに並べて確かめます。
マーケティング研修を成果につなげる3つの手順

マーケティング研修を成果につなげるには、研修前の課題の言語化、研修中の演習、研修後の検証の3つの手順を、人事と受講者の上司が一緒に組み立てます。研修会社に任せられるのは研修中の手順だけで、前後の手順は社内で用意する必要があります。
研修前の課題の言語化
研修前に、受講者の部署が抱えるマーケティングの課題を1人1つずつ書き出してもらいます。「新商品の問い合わせが想定の半分にとどまっている」のように数字と場面を含めて書くと、研修会社のヒアリングでも演習の題材に置き換えやすくなります。
課題を書けない受講者は、研修から何を持ち帰るかが決まっていません。受講前に上司との面談で、担当業務のどこに困りごとがあるかを話し合っておくと、研修の初回から自分の課題を持って参加できます。
自社の課題を使った演習
研修中は、フレームワークを1つ学ぶたびに、研修前に書き出した課題へ当てはめる演習を入れます。1回の演習は次の流れで進めます。
-
- 1.講師からフレームワークの使い方を学ぶ
- 2.自社の課題に当てはめて、自分の答えを書く
- 3.講師の指摘を受けて答えを書き直す
答えを書き直す工程まで研修の時間内に入れると、受講者は自分の考え方のどこがずれていたかを、研修の場で確かめられます。講師が一人ずつの答えに指摘するには、1クラスの人数を絞る必要があります。
研修後の実務での検証
研修後は、研修で立てた施策を実務で1つ試し、結果を上司と振り返る期日を決めます。期日の無い施策は日々の業務に押され、試されないまま残ります。
振り返りでは、施策の結果より、課題の切り分けと打ち手の選び方が妥当だったかを見ます。結果が出なかった施策でも、課題の切り分けが妥当なら、打ち手を変えるだけで次の施策に進めるためです。
マーケティング研修のよくある質問

営業職にもマーケティング研修は必要?
営業職にもマーケティング研修は役立ちます。顧客の課題を分析して提案に生かす考え方は、営業の提案書づくりにそのまま使えるためです。ただし、ツールの操作が中心のデジタルマーケティング研修は営業の業務と重なる部分が少ないため、営業職向けの研修から始めると受講後に使う場面が見つかりやすくなります。
オンラインでも研修の効果は出る?
オンラインの研修でも効果は出ます。効果を左右するのは受講形式より、講師が受講者一人ずつの答えに指摘できる人数かどうかです。受講者が多い講義形式のオンライン研修では、演習の答えへの指摘が一人ひとりに届きにくくなります。
新入社員と管理職は一緒に受けられる?
新入社員と管理職は、基礎研修なら一緒に受けられます。基礎研修は共通の言葉をそろえる目的が中心で、階層によって演習の難易度を変える必要が小さいためです。戦略研修は階層によって解く課題の大きさが違うため、新入社員と管理職でクラスを分けます。
自社課題で考える力を鍛えるなら課題解決力強化道場

課題解決力強化道場は、これまで約800名を超える受講者に、自社の実務課題を題材にした研修を行ってきました。その経験から言えるのは、マーケティングのフレームワークを現場で使える社員を育てるには、その手前で課題を切り分ける力と、自社の課題で答えを出し切る経験が欠かせないということです。
課題解決力強化道場は、少人数制・ハンズオン・超実践型の研修です。1クラス10名以内、2.5時間を5回の最短12.5時間で、アクセンチュア・KPMG・デロイトトーマツ・PwC出身の現役コンサルタントが、受講者一人ずつに毎回フィードバックします。
法人向けの研修は事前ヒアリングで自社の実務課題を題材に組み立てるため、マーケティングのどの課題を題材にできるかも、ヒアリングの段階で一緒に整理できます。料金は非公開で、ヒアリングのうえ個別に見積もります。マーケティング研修で学んだ手順を自社の企画に使えていないと感じている方は、受講者の階層と課題をお聞かせください。
貴社の課題に最適な研修をご提案します
・管理職のスキルにバラつきがある
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心当たりがあれば、まずご相談ください。
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