研修は予定どおり実施できている、育成計画も一応ある、それでも現場が変わった実感がない。人材育成の課題は、多くの企業でこうした「手応えのなさ」として表面化します。厚生労働省の調査によれば、能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとした事業所は約8割にのぼりました。課題を抱えていること自体は、まったく珍しい状態ではありません。差がつくのは、その課題をどこまで具体的な言葉で特定できているかどうかです。本記事では、企業でよく挙がる課題を整理したうえで、なぜ同じ課題が何年も繰り返されるのか、そして限られた時間と予算のなかで何から手をつければよいのかを、公的統計と研修現場の実感を交えて解説します。
人材育成の課題を抱える企業は約8割にのぼる

まず、自社だけの問題なのかどうかを確かめておきましょう。判断の基準になるのが、厚生労働省が毎年実施している能力開発基本調査です。常用労働者30人以上の事業所を対象にした大規模な調査で、人材育成の実態を継続的に追いかけています。
8割の事業所が「何らかの問題がある」と答えている
令和6年度の調査では、能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとした事業所は79.9%でした。3年移動平均でみると、10年前は7割弱の水準で推移していましたので、問題を感じる事業所の割合は近年になって上昇しています。人手不足と事業環境の変化が同時に進んだ結果と考えるのが自然でしょう。
注目したいのは、この数字が「育成をしていない企業」の割合ではないという点です。正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所は61.1%、OFF-JTを実施した事業所は71.6%。多くの企業は、すでに何らかの育成活動を回しています。それでも8割が問題を感じている。やっていないから課題があるのではなく、やっているのに手応えが得られないことが課題の中身だと読み取れます。
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上位を占めるのは指導者・定着・時間の3点
問題があるとした事業所に内訳を聞くと、回答は明確な順位を描きます。
- 01指導する人材が不足している(59.5%)
- 02人材を育成しても辞めてしまう(54.7%)
- 03人材育成を行う時間がない(47.4%)
- 04鍛えがいのある人材が集まらない(26.7%)
- 05育成を行うための金銭的余裕がない(14.5%)
出典:厚生労働省「令和6年度 能力開発基本調査」(令和7年6月27日公表)
上位3つと4位以下の間には、2倍以上の開きがあります。つまり日本企業の人材育成の課題は、人・定着・時間という運営資源の問題に集中しているわけです。「方法がわからない」は9.9%、「適切な教育訓練機関がない」は8.9%にとどまりました。手法の情報が足りないのではなく、手法を回すための土台が足りていない、と言い換えられます。
企業規模によって課題の中身は変わる
同じ「課題がある」でも、規模によって詰まる場所は違います。正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所の割合は、従業員30〜49人で46.0%、50〜99人で49.6%、100〜299人で64.4%、1,000人以上で78.0%。OFF-JTの実施率も30〜49人の57.8%に対して1,000人以上は84.3%と、規模が大きいほど高くなります。
中小規模の企業では、育成の仕組みそのものがまだ整っていない段階にあることが多く、まず何を作るかが論点になります。一方、大企業では研修体系は整っているのに現場で使われないという別種の課題が生じがちです。自社がどちらの局面にいるのかで、優先すべき打ち手はまったく変わります。
ここで押さえておきたいこと
人材育成の課題は「知識不足」ではなく「運営体制の不足」として現れています。研修の種類を増やす前に、誰が・いつ・どの業務を止めて育成に関わるのかを決めるほうが先です。
そもそも人材育成とは何を指すのか

課題の話に入る前に、言葉の範囲を揃えておきます。社内で「人材育成」と言ったとき、研修の実施だけを指す人と、配置や評価まで含めて考える人が混在していると、議論はほぼ噛み合いません。
人材開発・人材教育との違い
人材育成は、経営目標の達成に必要な能力を、従業員に身につけてもらうための一連の取り組みを指します。研修だけでなく、業務の割り当て、上司の関わり方、評価と処遇までを含む広い概念です。
これに近い言葉として人材開発と人材教育があります。人材教育は知識や技能を教える行為そのものに焦点があり、研修やeラーニングが代表例。人材開発はもう少し長い時間軸で、個人の可能性を引き出す取り組み全体を指すことが多く、組織開発と並べて語られる場面も増えました。厳密な線引きは組織によって異なりますので、自社では何をどこまで含めて呼ぶのかを最初に決めておくほうが、施策の抜け漏れを防げます。
いま課題が深刻化している背景
問題を感じる事業所の割合が上昇してきた理由は、大きく3つに整理できます。
1つ目は人手不足です。採用で穴を埋める選択肢が狭まり、社内で育てるしかない状況が広がりました。2つ目は求められる能力の変化。定型業務の比重が下がり、状況を整理して判断する力の重要度が上がっています。企業調査でも、50歳以上の正社員に最も重要と考える能力として「マネジメント能力・リーダーシップ」が55.0%で1位に挙がりました。
3つ目はキャリア観の変化でしょう。正社員の3分の2近くが「自分で職業生活設計を考えていきたい」と回答しており、会社に用意されたコースをそのまま歩む前提は薄れています。育成の中身が本人の納得を得られなければ、参加はしても身につかない時代に入ったと言えます。
人材育成でよくある6つの課題

ここからは、実際に人事や経営企画の現場で語られる課題を6つに整理します。統計上の分類と、社内で話題になる言い回しは少しずれますので、両方をつなげながら見ていきます。
1. 指導する人材が足りない
最も多く挙がる課題です。ただし、この一文はかなり多くの状態を含んでいます。指導できる人が社内に存在しないケースもあれば、存在するけれども本人の業務が過密で手が回らないケース、さらに指導の仕方が人によってばらばらで、結果として「任せられる人がいない」と評価されているケースもあります。
実務でよく見かけるのは2番目と3番目です。優秀な中堅社員ほど自分の担当業務で成果を出しており、後輩に付きっきりになる時間を確保できません。しかも指導の巧拙は人事評価に反映されにくい。指導者が不足しているのではなく、指導に時間を割いた人が損をしない仕組みが不足していると捉えたほうが、打ち手は見つけやすくなります。
2. 育てた人材が辞めてしまう
2位に入った「人材を育成しても辞めてしまう」は、経営層が最も強く痛みを感じる課題でしょう。育成投資が回収できないという実感は、次の投資判断を鈍らせます。
ただ、因果関係は一度疑ってみる価値があります。同じ調査で、OFF-JTを受講した労働者の95.3%が「役に立った」と回答し、その内訳では「現在の仕事の幅が広がった」が50.6%で最多でした。仕事の幅が広がる経験は、社内に留まる理由そのものです。育成したから辞めるのではなく、育成が中途半端に終わって仕事の幅が広がらなかったから辞めるという順序も十分に考えられます。
3. 育成に充てる時間が確保できない
3位の「時間がない」は、精神論では解決しません。制度面の数字を見ると事情がよくわかります。教育訓練休暇制度を導入している企業は7.5%にとどまり、導入予定がない理由の最多は「代替要員の確保が困難であるため」(43.6%)でした。
誰かが学ぶために席を外すと、その分の仕事が滞る。滞らせないために学ぶ時間を削る。この循環が全国規模で起きています。時間の課題を扱うときは、研修日程の調整ではなく、抜けた穴を誰がどう埋めるかの業務設計から入る必要があります。
4. 育成の目的と到達点があいまいなまま進んでいる
「若手の底上げ」「管理職の意識改革」といった言葉で育成テーマが決まっていくことは珍しくありません。言葉としては通りが良いのですが、受講者にとっては何ができるようになれば合格なのかがわからない状態です。
この曖昧さは制度面にも表れています。事業内職業能力開発計画をいずれの事業所でも作成していない企業は79.8%、職業能力開発推進者を選任していない企業は83.2%でした。従業員1,000人以上の規模でも、計画を作成している企業は45.4%にとどまります。育成の設計図を持たないまま、単発の研修だけが積み上がっている企業が大多数という実態です。
5. 研修が現場の業務とつながっていない
受講直後のアンケートは良い数字が並ぶのに、3か月後に何が変わったかを聞くと答えが返ってこない。研修担当者が最も苦しむ場面です。
原因の一つは題材にあります。一般的な事例やケーススタディは理解しやすい反面、自社の制約条件が入っていません。自社では稟議の通し方が違う、関係部署が多い、データが揃っていない。そうした条件を含まない練習は、教室を出た瞬間に使いどころを失います。学んだ内容が悪いのではなく、練習した状況と実際の状況が違いすぎることが問題なのです。
6. 育成の成果を測る物差しがない
最後は評価の課題です。売上や生産性は数字で追えますが、育成の成果は誰の手柄なのかが判然としません。結果として、受講率や満足度といった測りやすい指標だけが報告され、経営会議では「で、何が変わったのか」という質問に答えられなくなります。
能力開発を処遇に反映させている事業所は71.8%あり、反映内容は賃金の引上げが87.0%でした。仕組みとしての接続は存在します。足りていないのは、行動レベルで何が変わったかを言語化する中間指標のほうでしょう。
課題が毎年繰り返される3つの原因

ここまで挙げた課題は、多くの企業が数年前から認識しているはずです。では、なぜ認識しているのに解消されないのでしょうか。統計の断面をつなぎ合わせると、3つの構造的な原因が浮かび上がります。
原因1:育成が人事部門の仕事に閉じている
労働者の主体的なキャリア形成に向けて実施した取組を見ると、「上司による定期的な面談の実施(1on1ミーティング等)」が68.3%で最多でした。一方で「人材育成に関する基本的方針の策定」は35.2%です。対話の器は7割の職場に用意されているのに、そこで何を育てるかの方針は3割強しか決まっていないという非対称が生じています。
方針がなければ、1on1で話す内容は上司の裁量に委ねられます。育成熱心な上司の部下は伸び、そうでない上司の部下は伸びない。部門長によって成果がばらつく企業の多くは、この地点でつまずいています。人事が研修を用意し、現場が面談を回し、両者の中身がつながっていない状態を放置すると、翌年も同じ課題が議題に上がるでしょう。
原因2:教えることと、できるようになることを同じ扱いにしている
OFF-JTを受講した労働者の年間の平均延べ受講時間は21.5時間でした。正社員に限っても23.2時間です。1日8時間に換算すれば3日弱。この時間で行動を変えるには、内容の選び方がかなりシビアになるはずです。
ところが実施されたOFF-JTの内容は、新規採用者など初任層を対象とする研修が75.4%で突出し、マネジメントは46.6%。今後実施したい内容では「新たに管理職となった者を対象とする研修」が35.4%で1位に上がってきますので、必要性は認識されています。それでも実施が追いついていません。年間20時間強という限られた枠を、知識を配る時間ではなく、自分の仕事で実際に手を動かす時間にどう振り替えるか。ここが分岐点になります。
原因3:会社が求める能力と本人が伸ばしたい能力がずれている
意外に語られないのが、この食い違いです。同じ調査の個人調査で、正社員が向上させたい能力の1位は「マネジメント能力・リーダーシップ」(40.3%)、2位は「課題解決スキル(分析・思考・創造力等)」(34.1%)でした。
一方、企業調査で「発展にとって最も重要と考える能力」を管理職以外の50歳未満の正社員について聞くと、1位は「チームワーク、協調性・周囲との協働力」(58.6%)で、課題解決スキルは31.5%の4位です。企業は協調性を重視し、働く本人は課題解決力を伸ばしたいと考えている。研修の企画がチームビルディング寄りに偏り、受講者が物足りなさを感じる背景には、この温度差があるのかもしれません。
もっとも、両者は対立するものではありません。課題を構造的に整理できる人が増えれば、部門をまたいだ協働はむしろ進みます。企画側が「協調性を高める研修」ではなく「部門横断の課題を実際に整理する研修」という設計に切り替えるだけで、会社の期待と本人の意欲は同じ方向を向きはじめます。
人材育成の課題を解決する5つの進め方

原因が見えたところで、具体的な進め方に移ります。順番が重要ですので、上から順に着手することをおすすめします。
1. 課題を「症状」と「原因」に分けて書き出す
「若手が育たない」は症状であって原因ではありません。症状のまま研修を発注すると、汎用的なプログラムが返ってきます。まずは症状を分解しましょう。育たないのは特定の部署だけなのか、入社何年目で止まるのか、止まっているのは知識なのか判断なのか。
分解の際は、事実と解釈を混ぜないことが肝心です。「主体性がない」は解釈ですが、「指示された範囲を超えた提案が半年で0件」は事実。事実まで降ろすと、必要な打ち手は自然に絞られていきます。人材育成の課題整理は、それ自体が課題解決力の練習でもあります。
2. 階層ごとに到達点を一文で定義する
次に、誰にどの状態になってほしいのかを決めます。長い能力要件表を作る必要はありません。階層ごとに一文で書ければ十分です。
- ✓若手は、自分の担当業務の問題点を数字で説明できる
- ✓中堅は、原因を切り分けて改善案を上司に提案できる
- ✓管理職は、部署をまたぐ課題を整理して合意形成まで持っていける
一文で書けない場合、育成の目的がまだ固まっていない証拠です。逆に書ければ、研修の要件も評価の観点も、この一文から逆算して決められます。
3. 自社の実務課題そのものを題材にする
研修が現場とつながらない問題への対処は、題材を差し替えることです。架空のケースではなく、いま進行中の自社の課題を持ち込みます。受注率が落ちている拠点、稼働が読めない工程、承認に時間がかかる申請フロー。どれも格好の教材です。
効果は二重に出ます。受講者は自分の仕事で考えるため集中が続き、企業側は研修の成果物がそのまま業務改善案として残ります。学びと成果を別々に管理しなくてよくなる点は、時間的な余裕がない組織ほど恩恵が大きいでしょう。
4. 受講後の実践までを上司ぐるみで設計する
研修の効き目は、終了後の2週間で決まります。受講者が学んだ手法を最初に使う場面を、あらかじめ決めておきましょう。次回の部門会議で課題整理の結果を発表する、来月の商談で仮説検証のフレームを使う、といった具体的な予定です。
その際、上司が同じ言葉を知っているかどうかが分かれ目になります。部下がロジックツリーで整理してきても、上司が従来どおりの経験則だけで判断すれば、部下は次から使わなくなるでしょう。管理職層と実務層の受講を近い時期に組むと、社内の共通言語が定着しやすくなります。
5. 成果は満足度ではなく行動の変化で確認する
効果測定は、凝った仕組みを作るほど続きません。実務では、受講から3か月後に上司へ2つだけ聞く方法が現実的です。1つは「会議での発言や資料の質に変化があったか」、もう1つは「本人が自分で決められる範囲が広がったか」。どちらも観察可能で、数字にも落とせます。
加えて、費用面では公的支援の確認も忘れないでください。人材開発支援助成金など、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度が用意されています。詳細は厚生労働省の人材開発支援助成金のページで確認できます。
階層別に見る人材育成の課題と対処

同じ「育たない」でも、階層によって詰まっている箇所は違います。計画的なOJTの実施率を職層別に見ると、新入社員は54.7%、中堅社員は37.5%、管理職層は24.8%。上に行くほど育成の手が薄くなる構造が、はっきりと数字に出ています。
新入社員・若手層の課題
この層への投入量は比較的手厚く、OFF-JTの実施内容でも新規採用者向けが75.4%で最多です。課題はむしろ、入社2年目から4年目にかけての空白期間にあります。新人研修が終わり、次の階層別研修まで数年間、公式な学習機会が用意されていない企業は少なくありません。
対処としては、担当業務の中で「自分で問題を見つけて提案する」経験を意図的に作ることが有効です。指示された作業の精度を上げるだけの期間が長引くと、後になって発想の切り替えに苦労します。
中堅社員層の課題
プレイヤーとして成果を出しつつ、後輩の面倒も見る層です。「指導する人材が不足している」という課題の実体は、しばしばこの層の飽和状態を指しています。
ここで有効なのは、指導スキルの研修を足すことよりも、担当業務の一部を手放させる判断でしょう。育成に使う時間を評価項目に入れる企業も増えています。時間と評価の両方を用意して、はじめて指導は業務として成立します。
管理職・部門長層の課題
計画的なOJTの実施率が24.8%と最も低いのが、この層です。多くの企業で、管理職は「すでに育った人」として扱われます。しかし求められる能力は、担当業務の遂行から、部門をまたぐ課題の整理と意思決定へと質的に変わっています。
実務で目立つのは、部門長ごとに課題の切り口が違うために会議が噛み合わないという症状です。分析の型を揃えるだけで、議論の時間は目に見えて短くなります。管理職層への投資は、本人の成長というより組織全体の意思決定速度に効く投資だと考えたほうが、社内の合意も得やすいでしょう。
経営層・次世代リーダーの課題
後継者や右腕が育たないという相談は、中堅企業でとりわけ多く聞かれます。意思決定が経営者に集中し、幹部候補が判断を経験する場面がないまま年数が過ぎる構図です。
この層に必要なのは知識のインプットよりも、実際の経営課題を任され、判断の根拠を問われる経験です。既存事業の指標を見直す、部門横断のテーマを推進するといった実務そのものを題材にできると、育成と経営課題の解決が同時に進みます。
主な育成手法とそれぞれが抱える弱点

手法そのものに優劣はありません。どの手法にも得意な領域と苦手な領域があり、組み合わせ方で成果が決まります。自社の課題に照らして、どこが埋まっていないかを確認してみてください。
OJT
実務を通じて教える方法で、正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所は61.1%にのぼります。仕事に直結する点が最大の利点となる一方で、指導者の力量に成果が左右されやすく、教える内容が担当業務の範囲を出にくいという弱点を持ちます。部門をまたぐ視点や、前例のない課題への対処は、OJTだけでは身につきにくいでしょう。
OFF-JT(集合研修)
業務を離れて体系的に学ぶ方法です。実施内容の内訳を見ると新規採用者向けが75.4%で突出しており、初期教育の手段として定着しています。弱点は現場との距離。受講者数が多いほど一人ひとりの理解度を把握しづらく、内容が一般論に寄りがちです。人数と題材の設計次第で、成果は大きく変わります。
eラーニング
自己啓発の実施方法として最も多く挙がったのがeラーニングで、正社員の44.1%が利用していました。時間と場所の制約を受けにくく、知識の補給には向いています。ただし視聴が完了したかどうかは記録できても、判断の質が上がったかどうかまでは測れません。知識の入り口として位置づけ、演習と組み合わせる前提で導入するのが現実的です。
1on1・メンター制度
前述のとおり、1on1などの定期面談は68.3%の事業所で実施されています。関係性の維持や早期離職の抑制には効果が期待できますが、面談そのものが能力を高めるわけではありません。何を伸ばすのかという方針と接続してはじめて、育成の手段として機能します。
自己啓発支援
労働者の自己啓発を支援している事業所は85.4%と高い水準です。ところが支援内容の内訳は受講料などの金銭的援助が74.7%で突出し、教育訓練休暇の付与は17.4%、就業時間の配慮は40.4%にとどまります。働く側が挙げる自己啓発の問題点の1位は「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」(正社員55.9%)。お金は出ているのに時間が出ていないというねじれが、支援策の効き目を弱めています。
外部研修を選ぶときに確認したい3つの点

社内リソースだけで課題を解こうとすると、指導者不足と時間不足が同時に効いてきます。外部を使う判断は合理的ですが、選び方を誤ると「実施できたが変わらない」という結果を繰り返すことになります。確認したい点は3つです。
自社の課題を題材にできるか
カリキュラムが固定されているか、事前ヒアリングをもとに題材を差し替えられるか。ここは最初に確認しましょう。汎用のケースだけで進むプログラムは、受講直後の理解度は高くても、現場に持ち帰る接続点が生まれにくい傾向があります。
受講者一人ひとりへのフィードバックがあるか
30名を超える集合研修では、講師が一人ひとりの思考の癖まで見ることは物理的に困難です。人数の上限と、フィードバックの提供方法を必ず聞いてください。書面で残るかどうかも重要な違いになります。振り返りが記録として残れば、次回の受講や日常業務での確認に使えます。
誰が教えるのか
講師が現在も実務で手を動かしているかどうかで、扱える論点の解像度は変わります。理論の説明だけであれば書籍でも代替できますが、実際の意思決定でどこに迷いが生じるのかは、実務経験からしか出てきません。講師の経歴と現在の立場は、遠慮なく確認してよい項目です。
人材育成の課題を解決するなら課題解決力強化道場へ

課題解決力強化道場は、少人数制とハンズオン、そして超実践型を掲げる企業向けの人材育成プログラムです。アクセンチュア、KPMGコンサルティング、デロイトトーマツコンサルティング、PwCコンサルティング出身の現役コンサルタントが講師を務め、事前ヒアリングで題材化した自社の実務課題を使って演習を進めます。1回2.5時間、1クラス10名以内、最短12.5時間(5回想定)という設計のため、業務を止めずに参加できる点も特徴です。
累計受講者数は約800名を超え、平均満足度は95.6%、現場での活用度合は84.5%と公表されています。実施実績には、株式会社マイナビ、メットライフ生命保険株式会社、株式会社パソナ、株式会社Wonderful life、神戸星城高等学校などが名を連ねており、業種や規模を問わず導入が進んでいます。
部門長のばらつきが解消された事例
従業員約500名の人材紹介業では、急速な事業拡大にマネジャーの力量が追いつかず、各拠点の成果が部門長の裁量に依存する状態が続いていました。各拠点の部門長クラスへ論理的思考力強化研修を実施した結果、全体の87%がマネジメントの変化を実感したと回答しています。課題分析の方法が統一されたことで部門会議が活性化し、統括部長の管理負担も軽くなりました。
“ これまでロジックツリーの概要は知っていたものの、実際にどう切り分ければよいか分からず苦戦していました。今回の研修では区分けの仕方を実践的に学ぶことができ、早速活用しています。 ― 課題解決力強化道場 公式事例集
経営指標の見直しに着手した事例
従業員約500名の製造業では、安定した利益が続くために既存事業を見直す動きが起きにくく、部門横断の取り組みも計画力の不足から棚上げされていました。経営企画室の担当者が受講したのち、自社の課題を整理して経営陣を巻き込みながら経営指標の見直しに着手し、定期的な進捗報告会が実施されるようになっています。部下との1on1を導入し、成長を定期的に確認する体制も生まれました。
営業体制の仕組みを自社で構築した事例
従業員約150名の保険業では、全国での支社立ち上げを強化していたものの、担当者のスキル不足で拠点数が頭打ちになっていました。ノルマのみを追いかける風土から離職も増えていたといいます。部門長への研修後は、論理的思考力と営業プロセスの型化によって支社数が前年比で大きく伸び、プロセス別に失注分析を行う体制へと切り替わりました。各支社の成功事例を聞き合う流れが生まれ、支店間の連携も強まっています。
“ 一言で言うと「研修型のコンサルティング」だと思います。手法を教えてはもらいますが、最終的に答えを持っているのは受講者本人なので、支社長主体で弊社流の営業体制が構築出来ました。 ― 課題解決力強化道場 公式事例集
人材育成の課題は、原因を特定しないまま研修を重ねても解消しません。自社の課題を題材にした演習と、毎回の個別フィードバックによって、受講者本人が答えを出せる状態まで伴走するのが課題解決力強化道場の設計です。現状の課題整理からご相談いただけますので、階層別の難易度調整や回数の組み方も含めて、まずはお問い合わせください。料金は個別カスタマイズのお見積りとなり、資料請求で詳細をご確認いただけます。
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※ご相談・お見積もりは無料です